こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。
先日の建て替え戦記「建て替え戦記 | 熟成された測量費のゆくえ」では、測量費について言及しましたが、今回は境界確定測量をするに至った経緯、境界確定の立ち合い現場についても記録しておこうと思います。
50年前の図面は「バグ(不具合)」だらけ?
「家を建て替えるなら境界確定測量は必須です」
ハウスメーカーからそう言われたとき、「昔の図面があんだよね?なんでまた必要なの!?」「しかも、近隣集めて立ち合いって...クソ面倒くさい!」正直そう思いました。
けど、よくよく聞いてみると、50年前の測量や登記の精度は、現代から見れば驚くほど「ずさん」なケースが少なくないらしく...。
そう言われ、考えてみました。
築古物件の建て替えで、古い図面を前提にするということは、50年の年月の間に劣化して歪んでしまった型紙を使って、高価な最新の生地を裁断するようなもの。型紙(図面)が少しでもズレていると、出来上がった服(家)がパツパツになったり、端が足りなくなったりと致命的なミスに繋がりかねない。
といった感じか?しかも、自分が我慢すれば済むわけではなく、そのせいで近隣から文句を言われかねない。と、いうこと?
との理解に至りました。
なぜ「今」測量が必要なのか:3つのリスク
境界確定測量、ハウスメーカーにより見積額がバラバラではあったけど、その額は30~50万円程度。と、決して安くはありません。
形もなく必要性も理解・納得しきれず首をかしげるものに、自ら進んでお金を使いたくない。節約できるなら節約したいというのが正直なところでした。
私は、結局のところ、境界確定測量をやることにしたのですが、
私が「今のうちに、自腹を切ってでもやっておくべきだ」と判断した理由は3つあります。
- 解体工事の「オーバーラン」防止
そんなつもりはなくても、万が一、境界を越えて解体してしまったら?見た目で認識する境界と、厳密な測量による境界とのズレがあればそんなリスクも否めない。
もし、越境して解体しちゃったりしようものなら、新居での生活が始まる前から、隣人と一生の禍根を残すことになる。
せっかくの新居も、最初から近隣トラブルを抱えて新生活をスタートさせたくはありません。 - 「早い者負け」のジレンマを逆手に取る
「隣が建て替えるときにやれば、相手が費用を持つよね?」という考えもある。
しかし、大抵の場合、隣接する土地及びその所有者が複数に及び、すべての境界に白黒つく日がいつになるやら見当もつかない。
そして、後回しにすることは、境界の主導権を相手に握られるリスクでもある。 - ステークホルダーの高齢化(最重要)
わが家の両隣は70〜80代。彼らがいなくなった後、知らぬ誰かに相続されたり売却される可能性も否めない。
相続人である「面識のない誰か」と境界で揉めるストレスやコストを考えれば、ご本人たちが健在で、記憶もしっかりしている今、合意形成(署名捺印)を済ませるのが手っ取り早く、将来の不安もなくなる。
これらのことから、出費は痛いが今やるべき。と判断しました。
【実録】境界確定の「現場」オペレーション
境界確定測量は、単に測るだけの作業ではなく「近隣交渉と合意形成」でもありました。
※私の場合は揉めなかったのでの交渉は発生しませんでしたが
現地で測量を実施し、境界点に目印となる木の杭を打つ。(2~3回現地で測量していた記憶です)
最新の技術で測量した結果をもとに図面を起こし、依頼主に提出する。
※ハウスメーカー経由で図面データ(PDF)を頂きました
測量会社が隣接宅へ挨拶し、在宅状況を確認。日程を決めて郵便での正式な通知を行う。
前もって、私が把握する近隣情報を調査士さんに共有しておきましたが、隣接する土地の所有者が複数人になることもあり、在宅・不在状況によっては、日程調整が難航する可能性もありそうです。
立ち合い当日の朝9時、関係者全員が現地に集合する。
一応、顔見知りではあるので、全員集まるまでしばし雑談。今後、解体や建築でご迷惑おかけしますがよろしくおねがいします。と、この時点でも言っておきました。
※以降、STEP4~6も同日に実施しています
全員揃った場で、調査士さんから測量・検証結果の共有と報告。
古い測量図と最新の測定結果を重ね合わせ、全員に見せながらズレを目視確認する。
若干のズレがあったようですが、幸い、許容範囲内であることを説明受けました。
ひとつひとつの境界ポイントを調査士さんと歩いて廻り、認識に齟齬がないか物理的に指差し確認していく。
それぞれの境界ポイントに関わる人も一緒に廻り、境界ポイントの位置・境界に齟齬・相違ないことを実際に目で見て確認しました。
最後に、調査士さんが用意した所定の用紙に全員で署名。
集まっていただいた皆さんの署名を頂き、最後に自分の住所・氏名・土地所有者との関係性・日付を記載します。
この瞬間、曖昧だった境界が「法的な事実」に変わったことになります。
隣接地の所有者(もしくは代理人)全員の立ち会いと署名により合意が得られた後、
調査士さんの手により、各境界ポイントに境界プレートが打ち付けられる。
普段は気にしたことがなかったけれど、物珍しさもあって打ち込まれたすべてのプレートを確認して廻っておきました。
全員の立ち会いと署名を経て、打ち込まれたプレート。これで「見えない境界」が視覚化された。

道路境界は「役所」と境界確定
宅地内の境界が終わっても、道路側(公共用地)との境界は役所の都合で別日になることも。
わが家も先週、ようやく道路に面した境界を確定し、すべての完了報告を受けました。(たまたま在宅していたので私も立ち会いましたが、私の立ち合いは必須ではなかったようです)
道路境界の確定をもって、すべての境界が確定されました。
私の場合、役所の都合があわず、すべての境界確定に1.5ヶ月ほど期間を要したので、日数に余裕をもって進めるのが吉のようです。

ダマで進めるか、正攻法で行くか
世の中には測量せずに「ダマ」で進める施主もいる。という話も聞いたことがあります。
けど、数十年後の自分を想像してみたときに...、
足腰が弱り、判断力も落ちた頃に、隣の土地が売却され、見知らぬ業者から「境界がズレています」と突きつけられたら...。
ゆっくり余生を過ごさせてくれ!そんな歳になってからの、そんな揉め事はゴメンである。
そんなこんなで、私は今のうちに「物理的な安心(境界プレート)」を打ち込んでおくことを選びました。
30~50万円の費用はかかる。しかし、それは「老後の平穏」を買うための、最も確実な投資。そう思うことにしました。
このおかげで、私の土地は一点の曇りもない「新居の舞台」となりました。









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