こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。
メーターモジュールは、ただ『広い』だけの仕様ではない。ハウスメーカーの合理性と、施主のゆとりを両立させる優れた設計基準です。
だがしかし、いざ詳細設計に入ると、この基準に則った図面上の『建具』が、旧来の『尺』という規格に引っ張られ、あちこちで不整合を引き起こし始める。
私も当初は、解説してくれてるサイトを見て「ふーん、広いんだな」と楽観視していました。しかし、リビング収納やペットスペース上の収納を設計していく中で、その不整合を手作業で一つずつ解きほぐさざるを得なくなりました。
今回は、メーターモジュールを選択した施主が必ず直面する『収まりの罠』と、それをどう決着させたかをまとめたいと思います。
メーターモジュールの「ポテンシャル」
モジュールとは、建築物や建材の基準。図面でいうと方眼紙の1マスが、寸法何㎜を表すか。です。
現在の日本の住宅は『尺モジュール』が主流で大半を占めるらしい。昨今は、介護のしやすさや広さを求める声から、1,000mm単位のメーターモジュールを採用するハウスメーカーも増えてきているみたい。
ですが、まだまだ浸透・定着しているわけではない印象です。というのも、10社以上のハウスメーカーと対峙したうち、メーターモジュールを採用していたのは2社だけ。他は尺モジュールでした。
私は、結果的にメーターモジュールでの家づくりを選択した(最初から決めていたわけではなく、結果的にそうなっちゃいました)わけですが、改めて尺モジュールと比較してみようと思います。

| モジュール | 規準サイズ | 有効幅 | 特徴 | 向き不向き | 壁10mあたり柱本数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 尺 | 910mm単位 ※1尺=約303mm、3尺=909mmを基にしている | 約78cm | 日本建築の伝統的基準 | 細かく間取りを配置する場合に向く 小回りが効くがゆとりなく感じる場合も | 12本 |
| メーター | 1,000mm単位 | 約87cm ※尺モジュールより+9㎝ | 尺と比べて間隔が約1.2倍広くなり、ユニバーサルデザインに適している | 広い土地にゆとりある間取りで建築する場合に向く 尺に比べ小回りは効かない | 11本 ※尺と比べて約1割少ない |
尺モジュールと比較した場合、メーターモジュールは、
物理的なゆとりが生まれます。とくに、 廊下・階段・トイレ・風呂は、9cmの差が小さいようで大きい。そう感じます。
また、同じサイズの家を建てた場合は、柱や金物の数が減る≒家全体の原価が下がることになり、構造の合理性が高いと言えます。
メーターモジュールと建具の不整合
ここまで聞いて「メーターモジュール」=「広いし合理的で最高」じゃん!となるのはちと気が早い。 ←私(汗
もちろん、ゆとりがあって広いことはいいことなのですが…、
方眼紙に書いた間取り図をそのまま1マス=尺で読んだ場合と1マス=メーターで読んだ場合、当然ながらメーターの方が床面積が大きくなる=必要な土地も大きくなる=尺よりかなり費用アップすることになります。
また、尺で間取りを検討していて、予算的に床面積がある程度見えてきた場合。同じ床面積でメーターモジュール化してみると、尺でハマったものがハマらない!無理やりハメたらリビングが超ちっさくなっちゃった!みたいな、そういうことが起きてきます。
なので、欲しい家・欲しい間取りが作れるか、それが予算や土地の制約内に収まるか、慎重な判断が必要なんです。
また、日本の住宅は『尺モジュール』が主流です。なので、必然的に量産・流通している建材部材は尺規格が中心です。
ハウスメーカーによっては独自で適したサイズの建具を用意している場合もありますが、それはまれ。
そうでない場合は、一般的に流通している建具を使うことになるんです。
ということは、メーターモジュールで設計してるけど、使う建具は尺の規格品。そのせいで、メーターモジュールの間口ぴったりの扉を付けようとすると、特寸(大量生産していない特別な寸法=コストアップ)にするか、他の工夫をせざるを得なくなります。
私の場合、最初の図面で多くの建具に ”特寸”・”造作” の記載が踊りまくり、ナニコレ?何か特別なの???となりました。サイズも特別、費用も特別アップだったわけです...(汗
コストをおさえつつ、建具不整合を排除せよ!
そりゃぁね、特別な拘りや想いがあって、予算的にも許されるなら特寸も全然アリでしょう。てか、資金にたっぷり余裕があるなら是非特寸を採用してください。
ですが、私の場合、残念ながらそんな潤沢な資金はございません(泣
なので、間取りを隅から隅まで眺め、ひとつひとつの建具について見つめ直し、コストをおさえつつも欲しい家にする。そんな格闘をしていました。
- CASE 01:廊下の扉の収まり
- 不整合:扉の周りに不格好な隙間ができる?だから特寸で?
- 解決策:意図的に「袖壁」を造り、既製品で収まるデザインにする

- CASE 02:開口広すぎる収納
- 不整合:この幅でジャストサイズの「3枚引違い戸」は既製品に存在しない?特寸で?
- 解決策:意図的に「袖壁」を両端に造り、既製品で収まるデザインにする

- CASE 03:高さ制限のある収納
- 不整合:幅広×低高の「折れ戸」は既製品に存在しない?手作り造作しかない?
- 解決策:「空間を二分割」して、標準的な「開き戸」を2組並べる

※実際に発生した事例をもとにケースを作成したものであり、あくまでサンプルです
※図はあくまでイメージであり、実際の間取りとは異なります
「できない」を「できる」に変える発想法
バイアス(先入観・偏見・思い込み)は柔軟な思考をできなくしてしまう。
おそらく、ハウスメーカー担当者や設計者は、過去の経験からセオリーみたいなものが自然と形作られ、そのせいでその型にハマる。型をはみ出す思考、まったく違う角度からの思考は停止する。そんなことがおきているに違いない。
私のように、初心者もいいところ、専門知識もない、型なんてあるわけもない者からすれば、あれこれ思いついたことを言ってみるだけだ。素人だからこそ、こうはできないの?できるか知らんけど!と無邪気に言ってみる(笑
聞いていたことから察するに、間口ができたら間口ぴったりの扉を作る。まずはそう考えるのがセオリーなんだろうな。だから、そういう扉が既製品になければ、特寸で!や、造作で!と言ってしまうのでしょう。
いやいや、無尽蔵に資金あるわけじゃないから!そんなことするから、契約した後に金額跳ねあがった事例が多いんじゃないの!?!?と思ってしまうのでした。
だからこう受け止めることにしたんです。
メーカー担当者が「無理です」と言ったとき、それは「物理的に不可能」なのではなく「彼らが持つ『標準の型』の中に答えがない」。というだけのこと。
そして、扉に関して言えば、図面がある程度の段階になると、間取りや間口は決まっている!扉でなんとかするしかない。
以上、終了。と思考停止してるだけ。そう見えたんです。
なので、私は逆から考えてみた。
扉が間口に合わないなら、扉を特注するのではなく、間口(壁)を扉に合わせればいい。 既製品のサイズを調べ、それに合わせて「あと5cmだけ壁を足してください」と逆算の提案を投げてみる。
もちろん、それがデザイン的に許容できるかは別問題ですが、思考停止している現場に「別の選択肢」という刺激を与える。これだけで、停滞していたプロジェクトが再び動き出すことがあります。
素人だからこその発想を恐れず言ってみる。それにより、ブレークスルーすることだってある。そういうことかなと思います。
※これだけ壁にぶちあたるハウスメーカーが他にいるのか分からないけど…(汗








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