どうする注文住宅 | 見積比較【前編】:提案依頼(RFP)編 〜30年先を見据えて「土俵」に引きずり出す〜

こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。

2段階の客観評価でハウスメーカーを3社まで絞り込み、いよいよ1社に決める段階。
しかし...、ハウスメーカーごとにバラバラの間取り、設備グレード、隠れた追加費用、見えないメンテナンスコスト...。
これまでの記事のとおり、前提の違いが多岐にわたり、正直どう比較すれば納得できる判断ができるのやらと、困ってました。

これまでは、願望や要望を伝え、提案してもらうスタイル。結果、提案内容も見積額もバラバラ
提案・見積前提を一定の水準で統一しない限り、金額が高いも安いも比較しにくくてしょうがない。
なんとか納得する比較をするには、このやりかたを変えるしかない。

「ハウスメーカーの提案を待つ」のではなく「具体的な要求を突きつけ提案させる」
そんなスタイルに転換するしかありませんでした。

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提案依頼(RFP)の全貌

具体的な要求を突きつけ提案させる」
これを実現するために、ビジネスの世界で言うところの、いわゆるRFPRequest for Proposal:提案依頼書)を家づくり用に最適化して実践するのが近道。と判断し、実行しました。

具体的な間取りの要求

これまでのハウスメーカー選びの過程で、間取りとして考慮すべきことやアイディアは把握できている。そこから、自分が求める間取りを具体的に導き出せばいい。ようは ”いいとこどり” の、間取りを決めちゃおう。ってことなんです。

手段は、手書きでもExcelでも専用ツールでも何でも良く、自身が扱いやすい手段で図示できればよいと思います。

私は、少しでも楽して間取りを図示したかったので、無料の範囲内で「マイホームクラウド」という間取りツールを使って、図面作成していました。「マイホームクラウド」は、インストール不要で細かい設定などもなく、雰囲気で使えちゃうのでお手軽だったんです。

作成した間取り図をPDFにして渡し「こうしたい!」「こうして!」と伝えると、言葉だけで伝えるよりも、圧倒的にクリアにクイックに要求を伝えることができます。
”間取り ツール” などのキーワードでググってみると、意外と沢山あるので試してみてはいかがでしょうか。

具体化な仕様の要求

これまでのハウスメーカー選びの過程で、家づくりの上で言及される仕様や対象項目は概ね把握できている。そこから、自分が求める仕様を具体的に導き出せばいい。ようは ”いいとこどり” の、要求仕様を決めちゃおう。ってことなんです。

スクロールできます
要求項目要求内容
分類項目
規準ZEHZEH+の基準(断熱等級6以上&HEMS導入)を満たすこと
GXGX志向型住宅の基準を満たすこと
エネルギーソーラーパネル7kw以上で設置すること
蓄電池6kw以上で設置すること
HEMSHEMSを導入すること
形状屋根形状片流れ・招き・差掛け・切妻屋根のいずれかを採用すること
天井高2.4mの天井高とすること
勾配天井不要
折り上げ天井不要
下がり天井不要
間接照明不要
部材屋根30年以上の耐久性を有し、メンテナンス費用が最小限で済むものを採用すること
外壁30年以上の耐久性を有し、メンテナンス費用が最小限で済むものを採用すること
コーキング30年以上の耐久性を有し、メンテナンス費用が最小限で済むものを採用すること
ポーチ用タイル30cm角を採用すること
ワックスがけ不要で、傷つきにくくメンテナンス性の高いものを採用すること
建具・内装窓ガラストリプルガラスを採用すること
サッシオール樹脂サッシを採用すること
網戸開く窓には網戸が設置されること
雨戸・シャッター不要
玄関ドア片開きドアもしくは親子ドアで、W880×H2300以上の開口がある、高断熱性能のドアを採用すること
リビングドアH2400のハイドアを採用すること
居室ドアH2400のハイドアで施錠可能なものを採用すること
リビング開口既製品サイズで、高さ幅ともに最大限広げること
個室開口高さはリビングと統一し、必要最小限の幅にすること
クロス必要に応じて最適なものを選択・指定可能なこと
照明標準で付く場所・付かない場所を明示の上、不足分は予算取りすること
カーテン標準で付く場所・付かない場所を明示の上、不足分は予算取りすること
キッチンシステムキッチン2550サイズ、セラミック天板の製品を採用し、ペニンシュラ、オープンキッチンにすること
食洗器深型食洗器を設置すること
調理機ガスコンロを採用すること
キッチン上収納設置不要
カップボードキッチン背面にカップボードを設置すること
サニタリー風呂TOTO サザナを採用すること
採用困難な場合、人造大理石浴槽で、マグネット対応のユニットバスを採用すること
風呂扉扉は開き戸を採用すること
浴室暖房乾燥機浴室乾燥機を設置すること
洗面人造大理石洗面台で、掃除負担の少ない製品を採用すること
トイレ陶器製トイレで、掃除負担の少ない製品を採用すること
ランドリードラム式洗濯機を設置する前提とし、室内干し金具を設置すること
収納玄関収納靴収納用稼働棚とハンガーパイプを設置したシューズクロークとすること
パントリー稼働棚を設置すること
個室収納・WICハンガーパイプ、その上に枕棚を設置すること
リビング収納掃除用具、掃除ロボットの収納を前提とした棚・扉を設置すること
設備給湯電気ガスのハイブリッド給湯を採用すること
ウルトラファインバブルウルトラファインバブル発生装置を設置する
※給湯に同等機能が備わっている場合は不要
空調全館空調・床暖房は不要とし、寒冷地仕様エアコンを各居室計3台設置すること
換気第1種換気で集中型換気システムを採用すること
火災報知機ワイヤレス電池式を採用すること
配線・他コンセント(屋内)コンセントは多めに設置する想定で予算取りすること
コンセント(屋外)防雨コンセントをあわせて4カ所設置すること
TVアンテナ地上波・BSのアンテナを設置すること
TVアンテナ線リビングと居室の計3ヶ所に引き込みアンテナ端子を設置すること
光回線リビングと居室の計3ヶ所に引き込み光コンセントを設置すること
玄関周り玄関鍵鍵を取り出さずに開錠可能なスマートキーを採用すること
インターホン個室でも応答可能な子機もしくはスマホ対応のものを採用すること
郵便受/宅配BOX玄関ポーチに設置スペースを確保すること(施主設置)
外回り軒の出南側の軒は90cm以上を確保すること
物干し南に面した居室の外壁に干し金具を設置すること
外水栓北側と南側の2カ所に外水栓を設置すること

これはあくまで要求仕様の例であり、各家庭ごとに必要な項目の過不足はあると思います。
注文住宅は、その人の為の家づくりなので、中には造作をいろいろやりたい人もいるでしょうし、巾木や見切りまで拘る人もいると思います。なので、項目や要求内容に違いが出るのが当然であり必然です。

また、全項目すべからく具体的な仕様を決めましょうというよりも、ひとつでも多く具体的に仕様を決めましょう。という話で、そうすることで提案・見積前提がより強固なものになり、各ハウスメーカーの提案・見積がブレにくくなります。

ちなみに私は、このような表の右側に記入欄を作り、各ハウスメーカーに要求を満たせるかどうか、どのような仕様とするか・どんな製品を想定しているかを書いてもらいました。それにより、どのハウスメーカーにすると、どんな家になりそうかもある程度イメージがつやすくなり、ハウスメーカー選びもしやすくなるかと思います。

ライフサイクルコストの可視化要求

何社もの提案を聞いていてすごく気になることがあったんです。
標準でこんな換気システムが導入できます!この容量の蓄電池がこの価格で導入できます!最新の給湯機がこの価格で導入できます!みたいな売り文句。

導入コストが安く済むよ!って話で、それ自体はいいことだと思います。
何が気になるって、忘れてはならないのが、それって何年もつんだっけ?交換時期が来たら交換にいくらかかるんだっけ?30年住むとしたら何回交換するの?という話。

家は建てて終わりではなく、その家に長年住み続けるということ。
ハウスメーカーにメンテナンスコストを聞くと、定期的な屋根・外壁の塗替え、コーキング打ち替え、防蟻処理などは当然のように言ってくれます。
けど、それだけじゃ済まない。

エアコンも給湯も一般的な寿命は10年目安だし、換気システムや蓄電池も…30年交換不要なものは存在しません。
同じスペックの家に住み続けるとしたら、それらの交換費用から目を背けるわけにはいかないし、中には2年毎に専用のフィルター交換が必要でそのフィルターが5万します。とか、そんなコストが発生する設備もあったりします。
これらも立派な ”家” のメンテナンスコストです。

有名大手ハウスメーカーで家を建てたはいいけれど、メンテナンス費用が高額で支払えない。でも、他の業者に依頼しちゃうと、以降のメンテナンスは断られる。にっちもさっちも...なんて施主の話もよく聞きます。

なのに、言及しなければ教えてくれない。
なので、家康方式ではなく、秀吉方式。鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギスです。
記入フォーマットを作ってハウスメーカーに記入してもらいます。(青字の列が記入欄)
※価格の変動は考慮し切れない為、費用はあくまで現時点の金額で記入してもらう
※下記記載の内容・金額はあくまでイメージを伝えるためのサンプル値です

スクロールできます
メンテナンス対象メンテナンス費用(万円)概要
分類仕様5年10年15年20年25年30年合計
点検永年無料点検無料無料無料無料無料無料05年毎点検
屋根ガルバリウム鋼板50100150塗替え
外壁・コーキングkmew ネオロック・光セラ18151530クリーニング
防蟻タームガード15151545再施工
給湯エコワン8080160交換
エアコン寒冷地エアコン 3台505050150交換
換気澄香252550交換
換気フィルター給気フィルター、排気フィルター22222212交換
ソーラーパネルハンファ 7.92kw0
パワーコンディショナハンファ303060交換
蓄電池ハンファ 12.7kw150150300交換
水回りキッチン・洗面・風呂・トイレ200200リフォーム
合板フローリング(シート)100100リフォーム
クロスビニールクロス5050貼換え
カーテン遮光カーテン101020交換
その他劣化・故障の対象物22222212交換
合計469364419194641,339

耐久性や部材・設備の違いにより、30年を想定すると、ハウスメーカーによって結構な金額差がでることも。
保険費用や光熱費シミュレーションの金額などを追加して見てみるのもよいかと思います。
お子さんがいる場合は、お子さんの成長に合わせた出費も気にしてみると、予算組みの参考になるかもしれません。

20~30年住めれば十分と考えるか、50~60年は住みたいと考えるかでもまた異なる結果になり得ます。
私は、初期コストはもちろん、初期コストと30年ライフサイクルコストを足し合わせた総額も比較しました。
初期コストが高くてもライフサイクルコストが安いハウスメーカーもあったので、やってみないと結構分からないものです。

提案依頼(RFP)と、それがもたらす選定の精度

基本的には「これらの前提条件を全て満たした上での、最適解を提案せよ」という依頼になります。
ただ、中には満たせないものもあるかもしれないので、その場合は、どのような提案か具体的に記載・説明してもらう必要があります。

私が依頼したハウスメーカーは、すんなり受け入れてもらえ、積極的に対応してくれました。(裏では面倒だと愚痴られていた可能性も十分ありますが…苦笑)
もし難色を示すハウスメーカーがあれば、提出頂けなければ土俵に乗せない。それだけです。と言うつもりでしたが、言うことはなく済みました。

これらのおかげで、曖昧な「お任せ」を排除し、同じ土俵で走らせることができ、初めて各ハウスメーカーが造る家の強味・弱みの差が浮き彫りになる部分もでてきます。
資料を渡した時点で、後の「言った言わない」を一定抑えこむこともできるし、これらの記入や、これらに基づいた提案・見積の結果から、ハウスメーカーの誠実さや対応力も見えたりします。

いよいよ次回は、提案依頼に基づいた提案・見積を精査し、比較する話を書こうと思います。


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この記事を書いた人

がえるのアバター がえる 自由人 / 元外資系PM

東京での経験を携えて、地元で人生リブート中

人生も折り返し、東京⇒地元東北へUターン
移住して、実家の断捨離と建て替えに独り奮闘
いろいろ捨てたり、変えたり・替えたり・帰ったり。
そんな日々の記録をゆる~く綴っています

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