ハウスメーカー選び|データで暴く住宅市場のリアル - 全国区の知名度が、必ずしも正解への近道とは限らない

こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。
東京から東北の地にUターン後、家づくりに取り掛かって私が直面した違和感。
それは、東京で見ていた「CMでお馴染みのハウスメーカー」の存在感が、ことのほか薄いということ。
逆に、地域に根ざしたハウスメーカーのCMが良く流れ、耳に残っていたりもします。
そして、ハウスメーカー選び、情報が多すぎて吐き気がしませんか?私はしました(笑
なので、一旦感情を横に置いて、夜な夜な地元の『建築確認申請数』という、およそ一般の施主が見ないようなデータを引っ張り出して分析してみたんです。そしたら、驚きの事実が見えてきました……
とあるハウスメーカーから入手した住宅着工データを分析して、見えた事実を書こうと思います。
圧倒的な「東北ドミナンス(支配)」という現実
独自に入手した情報は「岩手住宅月報」の一部で、東北の住宅市場動向を調査・分析するリビング通信社という会社が発行するエリア特化型の専門誌です。(基本的に法人向けの高価な情報誌で、一般の書店には並びません)
民間会社が「確認申請」の公報を集計して、「どの会社が、どこで、何平米の家を建てたか」を名出しでリスト化したもの。
全国版:「住宅産業研究所(タクミくん)」などが有名で、全国のデータを網羅して提供
地方版:多くの県で「〇〇住宅通信」「〇〇経済月報」といった形で、地元の調査会社が特定エリアの深掘りデータを提供
県内の着工数上位60社を地域別に分類した結果がこれです。
※2024年の実績データをもとにしていますが、2026も大勢は変わらないものと思います
ハウスメーカー数の分布
着工数の比率
見ての通り、上位60社のうち約7割のハウスメーカーが「東北勢」。着工数ベースで見ても、6割以上が東北の地域密着型メーカーによって占められている事実が分かります。
※60社の中には、賃貸物件建築業者も含まれていたため、集計では除外しました
東京なら「積水ハウス」「飯田グループ」「ダイワハウス」といった全国区の巨人や「オープンハウス」が市場を席巻しているみたいだけど、ここ岩手では「地元の冬を知り尽くした勢力」が圧倒的なマジョリティのよう。
やはり、先入観を持ってしまうと、判断はもとより情報収集の仕方すら誤りかねない。
家を建てる地域とその特性に応じてハウスメーカーの選び方を変える必要がありそうです。
地域密着型ハウスメーカーの顔ぶれ
東北勢が6割を占めると言っても、その勢力図は一様ではありません。
実は、その中の約半分(48.9%)は、わずか3社によって形成されているのです。
全国規模のメディアでは決して見かけることのない名前ばかりですが、岩手で家を建てるなら、まずこの3つの名前は嫌でも覚えることになるでしょう。
「東北勢」着工数の内訳比率
「シリウス」社は、「アイフルホーム」や「シュガーホーム」「ジャストハウジング」など、複数のブランドを展開しておりその合算値になります。
ブランド毎の数字は公開されていないので、正確な比較は難しいですが、ブランド毎の数字で言うならば「パルコホーム」「リベスト」が1位・2位の可能性もありそうです。
全国区の「異質な巨人」一条工務店の凄み
もちろん、全国区のメーカーが全滅しているわけではありません。 特筆すべきは「一条工務店」。
大手15社がひしめくレッドオーシャン。そこで一条工務店だけが『別の次元』で戦っているのが見て取れます。
見てください、この一条工務店の数字。もはや独走状態です。実際、展示場に行けばその性能に圧倒されるし、私も『もう全部一条さんにお任せすれば、正解に辿り着けるんじゃないか?』と、思考停止しそうになったのは内緒です(苦笑
15社がひしめく全国区勢の中で、一条工務店1社だけでシェア約30%をかっさらっているのです。2位の積水ハウスに3倍以上の差をつけるこの数字は、もはやブランド力という言葉だけでは説明がつきません。
「性能」というロジックで北国のニーズを正攻法で攻略しているその姿には、東北人の一人として素直に敬意を表したいところ。
東北の厳しい冬をもロジックで攻略した一条。そして、圧倒的な数と信頼で迎え撃つ地元3強。この『4大勢力』の対峙こそが、現在の岩手住宅市場のリアルのようです。
テレビCMで見るあの超有名メーカーが、実は地元ではそれほど選ばれていない。
これって、『東京で流行ってるオシャレな店が、地元の口に合うとは限らない』みたいな話だと思うんです。ブランドという看板を一枚剥がしてみると、自分にとっての『適正』がようやく見えてきた気がしました。
「奥羽山脈の壁」という市場の境界線
分析を進めていくと、もう一つ面白い傾向が見えてきます。 東北の中でも、太平洋側と日本海側では「生態系」が明らかに違うのです。
岩手や宮城で圧倒的な支持を集める「シリウス」「パルコホーム」「リベスト」の3社。加えて北海道発の「ロゴスホーム」。彼らは驚くほど日本海側(秋田・山形など)へ進出していない。
これは、単なる営業エリアの問題ではなさそう。
「雪の量」や「雪の質」、「湿気」といった、奥羽山脈を隔てたわずかな気候の差が、住宅会社にとっての「生存境界線」になっていそうです。
北国の家づくりは、それほどまでに土着的なノウハウが求められる過酷な世界とも言えそうです。
データが示す「北国の正解」
今回は私が住む東北のデータを例に出しましたが、これは決して他人事ではありません。例えば、海に近い街なら塩害に強い会社、山に近いなら湿気に強い会社といった具合に、『その土地の勝者』は全国どこにでも存在しえます。
大手ブランドの看板だけに頼るのが正解なのか、原点に立ち返った方が良い場合もありそうです。
そして、闇雲にハウスメーカーを探すより、データに基づいて的を絞った方が検討しやすい。地方ではとくに。
地域でNo1を謡っているハウスメーカーに「〇〇住宅通信」「〇〇住宅月報」の情報がないか、聞いてみると良いでしょう。
今回、2023年・2024年の統計を俯瞰して見えてきたのは、「東京の常識は、北国では通用しない」という至極当然、かつ残酷な事実でした。
全国区のブランド力も、氷点下の夜の前では頼りないものなのかもしれない。
データ上は、地域密着勢の「実行力」が市場を支配している。
もちろん、このデータだけで家が決まるわけではなく、あくまで傾向でしかありません。
……と、散々データをこねくり回しましたが、最終的に私が選んだ決め手は、自分にとっての『納得感』でした。数字は嘘をつきませんが、数字だけでは『住み心地』までは測れません。 このデータが、皆さんの脳みそを少しだけ整理して、皆さんの『納得』に繋がる一助になれば嬉しいです...。分析疲れた...(汗
次回以降、 私が中堅ハウスメーカーに家づくりを託した、その理由を語りたいと思います。










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