家づくりの難所|間取り沼 ―理想を足すほど、正解が見えなくなる―
『間取り沼』
まどりぬま
SNSの理想を足すほど正解が見えなくなる「間取り沼」。
要望が膨らむ「間取り肥大症」や「間取り遭難」をどう防ぐか。
完璧な幻想を捨て、自分たちだけの「納得解」を掴む視点とは。
| #012 | |配置・間取り検討期 |
間取り沼
| 危険度: | 発生度:極高 致命度:中 |
| 理想郷系 | |
SNSで見たアイデアを次々追加し、間取りが膨張していく症状。 理想を追い続けるうちに、何のための家なのか分からなくなる症状。 打合せのたびに新しい要望が増える症状。 どこにも欠点のない間取りが存在すると信じてしまう症状。 | |
0 ➡3個以上当てはまる場合、『間取り沼』に足を踏み入れている可能性が高いです。
どんな難所?
比較検討も目途がついた。
そこから本格的に始まる、
間取りづくり。
ここまでは楽しい。
夢も膨らむ。
SNSを見る。
施工事例を見る。
ルームツアーを見る。
すると次々見つかる。
回遊動線。
ファミクロ。
ランドリールーム。
ヌック。
スタディスペース。
スキップフロア。
そして思う。
「これも欲しい。」
「これも便利そう。」
「これも素敵。」
そして個々に言われる。
「これが欲しい。」
「これを優先したい。」
「これを考えて。」
そうして、
少しずつ沼に沈んでいく。
それが
『間取り沼』です。
何が起きる?


最初は希望を整理しているつもりです。
ところが、
調べれば調べるほど
新しい正解っぽいものが出てくる。
SNSには成功例ばかりが流れてくる。
住宅展示場も素敵。
施工事例も素敵。
全部良さそうに見える。
そして厄介なことに、
それらはどれも間違っていない。
だからこそ迷う。
すると、
足し算が始まる。
家族がそれぞれ
足し算し始める。
そして、
気付けば
予算が増える。
面積が増える。
要望が増える。
悩みも増える。
危険な理由
『間取り沼』の怖さは、
失敗例ではありません。
成功例です。
SNSに出てくる家は、
どれも魅力的。
だから、
見るほど欲しくなる。
しかし、
Aさん宅の正解と
Bさん宅の正解と
我が家の正解は違う。
それなのに、
全部取り入れようとしてしまう。
誰が見ても、
欠点がゼロになるようにと考えてしまう。
そもそも、
どんな間取りにも必ずトレードオフがある。
それを忘れた瞬間、
沼は深くなる。
🩺SNS性間取り肥大症
最も発症率が高い症状です。
SNSを開く。
便利そう。
真似したい。
ブクマ。
またブクマ。
またまたブクマ。
気付けば、
間取りがどんどん大きくなる。
家づくりでは、
足し算は簡単。
引き算が難しい。
これが
SNS性間取り肥大症です。
🩺間取り遭難
進行すると発症します。
最初は、
家族で快適に暮らしたい。
だったはず。
ところが、
いつの間にか
回遊動線のために回遊動線を作る。
収納のために収納を作る。
SNS映えのために空間を作る。
本来の目的を見失う。
これが
間取り遭難です。
私も沼に入りました
我が家は、
ハウスメーカーを決める前に、
複数社から提案を受けました。
そして、
良いアイディアだけを取り込みつつ、
できる限りシンプルになるよう、
自分で間取りを作りました。
いわば、
間取り案の集大成です(笑)
もちろん、
右往左往して、
大変ではあったけど、
楽しかった。
でも、
後から思うんです。
間取りって、
正解を探す作業じゃなくて、
納得解を作る作業なんだなと。
実際、
契約後も少々変更しました。
たぶん、
どれだけ考えても、
家族全員の100点にはならない。
だからこそ、
どこで決めるかが大切なんだと思います。
推奨装備
地図 | 暮らし方の優先順位を整理する。 |
コンパス | 予算と面積の上限を決める。何を捨てるか決める。 |
ヘッドライト | SNSの成功例を鵜呑みにしない。 |
通過方法
おすすめはシンプルです。
欲しいものを並べる前に、
何のために建てるのか。
を整理すること。
そして、
理想を足す前に、
優先順位を決めること。
間取りは、
なんでもかんでも詰め放題のゲームではありません。
限られた条件の中で、
何を選ぶかのゲームです。
この難所の本質
『間取り沼』は、
間取りを考える場所というよりも、
暮らしを考える場所です。
理想は無限に増えます。
でも、
予算も面積も時間も有限です。
沼で必要なのは、
溢れんばかりの情報ではありません。
自分たちに必要なものを見極める視点です。
| この難所の 本質 | 知らぬ誰かの理想より、自分たちの暮らしに必要なものを選べ |



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