家づくりの難所|性能迷宮 ―性能を追うほど、性能が見えなくなる―
『性能迷宮』
せいのうめいきゅう
UA値0.01の差に一喜一憂?
難所『性能迷宮』で陥る数値信仰の罠と、そこを脱出するための「足切りライン」の決め方。
最高性能を探す競争を卒業し、自分たちに必要十分な快適さを見極めるには。
| #005 | |比較検討期 |
性能迷宮
| 危険度: | 発生度:高 致命度:中 |
| 性能追求系 | |
UA値が気になり、0.01単位の差まで比較せずにはいられなくなる症状。 カタログ性能値のわずかな差に一喜一憂し、実測値との答え合わせをしたくなる症状。 カタログ性能値が自分の家でも必ず達成されると信じてしまう症状。 性能値が高ければ必ず良い家だと思い込んでしまう症状。 断熱・気密・換気・耐震などの性能情報ばかり集め続けてしまう症状。 | |
0 ➡3個以上当てはまる場合、『性能迷宮』で迷走している可能性があります。
どんな難所?
『見積魔境』を抜けると、
多くの人が次に訪れてしまいます。
性能。
断熱性能。
気密性能。
耐震性能。
換気性能。
省エネ性能。
住宅会社のホームページを見ると、
UA値
C値
断熱等級
耐震等級
一次エネルギー消費量
長期優良住宅
HEAT20
G2
G3
知らない言葉が次々現れる。
そして思うんです。
「性能は高いに越したことないよな?」
と。
ここから迷宮への扉が開きます。
何が起きる?


最初は単純です。
暖かい家にしたい。
快適な家にしたい。
光熱費も抑えたい。
だから性能を調べる。
ここまでは正常。
しかし性能を調べ続けると、
少しずつ比較対象が細かくなる。
UA値0.46
UA値0.42
UA値0.39
UA値0.34
すると、
0.42より0.39の方が良い。
0.39より0.34の方が良い。
そう考え始める。
気付けば、
「どこまで必要なのか」
ではなく、
「どちらが上なのか」
を比較するゲームになっている。
危険な理由
『性能迷宮』の怖さは、
性能を調べているつもりで、
性能競争に巻き込まれること。
住宅性能は大切です。
むしろ私は、
一定以上の性能は必須だと思っています。
しかし、
性能には限界効用があります。
例えば、
UA値1.5と0.5
なら大きな差。
しかし、
UA値0.42と0.39
になるとどうでしょう。
確かに差はある。
でも、
暮らしの中で体感できる差なのか。
費用差に見合う差なのか。
そして、
そのカタログスペックは、
どんな家にしても同じ値になるものなのか。
どんなに窓を増やしても、
どななに窓を大きくしても、
勝手口を付けようが付けまいが、
同じ性能値なのか。
そんなはずがありません。
ここを見失うと、
出口が見えなくなります。
🩺UA値中毒
最も多い症状。
性能比較サイト。
YouTube。
SNS。
ブログ。
見れば見るほど、
もっと良い数字が現れる。
そして、
今検討している会社の性能では
不十分に見えてくる。
本当は十分高性能だったとしても。
🩺性能値潔癖症
少し進行すると発症。
UA値。
C値。
実測値。
測定回数。
施工精度。
気密測定方法。
どんどん比較が細かくなる。
そして気付く。
家づくりではなく、
性能オタク活動になっている。
私も遭難しかけました
正直、
性能は嫌いじゃないです(笑)
だから、ちょっと危なかった。
UA値も調べた。
C値も調べた。
換気も調べた。
断熱材も調べた。
でも途中で思ったんです。
「で、我が家はどこを目指すんだ?」
「なぜその性能値が必要?と問われたら...答えられない...」
と。
性能を上げること自体が目的になっていた。
本来は、
快適に暮らすため。
将来の光熱費を抑えるため。
その手段だったはずなのに。
推奨装備
GPS | 地域の気候条件を把握する。 |
地図 | 性能基準の全体像を知る。 |
コンパス | 自分たちが求める快適性を決める。 |
ヘッドライト | 性能向上に必要な追加コストを見る。 実績・施工品質も確認する。 |
通過方法
おすすめは単純です。
まず、
どこまで性能が欲しいのか、
その基準となるものを決める。
そして、
そのラインを下回るなら、
比較対象から外す。
例えば、
断熱等級6以上。
HEAT20 G2相当以上。
など。
基準を超えたら合格。
そこから先は、
価格
保証
メンテナンス
提案力
とのバランスを見る。
性能だけで決めない。
体感で分かるはずもない、性能値の微差には踏み込まない。
これが迷宮脱出の近道です。
この難所の本質
『性能迷宮』は、
性能不足で迷う場所ではありません。
性能の優劣で迷う場所です。
性能は重要です。
でも、
家づくりの目的は
UA値を下げることではなく...
快適に暮らすことです。
迷宮で必要なのは、
最高性能を探すことではなく、
自分たちに必要十分な性能を見極めることなのです。
| この難所の 本質 | 性能値より、暮らしのゴールを見失うな |



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