家づくりの難所|見積魔境 ―素直に比較ができない魔やかしの数字―
『見積魔境』
みつもりまきょう
総額比較は遭難の元。
難所『見積魔境』で陥る「見積錯覚」を防ぐには。
各社バラバラな数字の裏にある前提条件を揃え、意味ある比較をするための「地図」の作り方とは。
| #004 | |比較検討期 |
見積魔境
| 危険度: | 発生度:高 致命度:高 |
| 理想郷系 | |
打合せのたびに見積金額が変わり、資金計画の現在地を見失う症状。 見積総額だけを比較し、含まれる内容や前提条件の違いを見落とす症状。 会社ごとに見積書式や項目名が異なり、何を比較しているのか分からなくなる症状。 打合せのたびに追加項目が発生し、気付けば予算の余裕がなくなっている症状。 | |
0 ➡3個以上当てはまる場合、『見積魔境』周辺で迷走している可能性があります。
どんな難所?
比較検討が進み、
候補も絞れてくる。
そして、
いよいよ現れる。
見積書。
やっと金額で比較できる。
そう思う。
しかし...
現実は違う。
A社:3,000万円
B社:3,500万円
C社:3,300万円
一見すると、
比較できそうに見える。
でもよく見ると、
- 坪数が違う
- 含まれる設備が違う
- 太陽光、蓄電池がある
- 外構がない
- 地盤改良が入ってない
- 照明が入ってない
- 同じ登記手続きの費用が違う
比較しているはずなのに、
比較にならない。
それが、ここ『見積魔境』です。
何が起きる?


見積は数字の集合体です。
しかし、
数字だから分かりやすいとは限らない。
むしろ逆。
数字だからこそ、
分かった気になってしまう。
例えば、
A社:総額3,000万円
C社:総額3,300万円
この時、ぱっと見は、
A社が安い
と思ってしまう。
でも実際には、
C社には
- 外構
- 照明
- カーテン
- エアコン
まで含まれていて、
A社には含まれていない。
そんなことも普通にあります。
すると比較しているつもりが、
まったくもって比較にならない。
危険な理由
『見積魔境』の怖さは、
数字が出ているのに
安心できないこと。
むしろ数字が出たことで、
- 安い
- 高い
- 得
- 損
ばかり気になってしまう。
でも本当に見るべきなのは、
金額よりも中身。
住宅は、
「何が含まれているか」
で金額が決まる。
だから総額だけ見ても、
正しい比較はまったくもってできません。
🩺見積遭難
最も多い症状です。
打合せのたびに、
+20万円
+50万円
+30万円
少しずつ増える。
そして、
今いくらなの?
結局いくらになるの?
かが分からなくなる。
現在地喪失です。
🩺見積錯覚
これも非常に多い。
人は総額を見る。
見積の前提条件は各社バラバラ。
坪数や単価が違う以前に、
見積に含めるもの含めないもの、
そこから違う。
同じ項目でも、
グレードを変えてしまえば、
高くも安くも見せられる。
蓄電池ひとつ取っても、
5kWhなのか15kWhなのかで金額は大きく変わる。
太陽光も、
何kW載せる前提なのかで話は変わる。
同じ「太陽光・蓄電池込み」でも、
中身は全く同じとは限らない。
まだ、
決まっていないことが多いから。
具体的な要望が伝えられていないから。
それまでは、
意図した見積が提示される日は来ない。
しかし結果として、
分かりやすい総額を見て、
比較にならない比較をしてしまう。
そんなことが発生します。
🩺見積めまい
A社:「建物本体工事」
B社:「標準工事」
C社:「住宅工事一式」
同じような言葉なのに、
中身が違う。
さらに、
- 付帯工事
- 諸費用
- オプション
- 申請費用
が会社ごとにバラバラ。
あったりなかったり、言葉が違ったり。
すると脳が処理できなくなってクラクラする。
これが見積めまいです。
私も遭難しかけました
正直、
比較していた時期で一番難しかったのは、
見積でした。
性能比較より難しい。
なぜなら、
数字はあっても、
前提条件が見えないから。
そこでやったのは、
一旦、総額比較をやめること。
代わりに、
「何が含まれているか」
を見るようにしました。
すると少しずつ、
比較できるようになったんです。
推奨装備
GPS | 最新版見積の現在地管理。 |
地図 | 見積条件一覧表。 |
コンパス | 予算上限の明確化。 |
ヘッドライト | 見積明細の確認。 |
ロープ | 営業担当への質問力。 |
通過方法
おすすめは、ある意味単純です。
いきなり総額を比較しない。
まず、
- 設備
- 外構
- 地盤改良
- 照明
- カーテン
- エアコン
- 太陽光
- 蓄電池
見積には、何が含まれているのか。
そして、
- 坪数
- グレード
- スペック
そこを揃える。
欲しいと思えるものに近づける。
できる限り。
比較はその後。
見積の前提条件がある程度揃うことで、
ようやく意味ある本当の比較ができるようになります。
この難所の本質
『見積魔境』は、
お金で迷う場所ではありません。
前提条件で迷う場所です。
総額を見ても答えは出ません。
見るべきは、
何が含まれていて、何が含まれていないのか。
そして、
欲しいものになっているか。
魔境で必要なのは、
安い会社を探すことではありません。
同じ条件で比較できる地図を作ることです。
| この難所の 本質 | 総額ではなく、前提条件を比較せよ |



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