家づくりの難所|意思不通洞窟 ―声は届いても、記録は残さなければ残らない―
『意思不通洞窟』
いしふつうどうくつ
「言ったはず」が通用しない。
記憶は曖昧になるが、記録だけが事実を残す。
事故が起きた時に身を守れるよう、
「証跡」を残す具体的な手段とは。
| #022 | |契約後 |
意思不通洞窟
| 危険度: | 発生度:中 致命度:高 |
| リスク対策不足系 | |
口頭のやり取りだけで進め、後から言った言わないが発生する症状。 口頭中心でやり取りし、後から確認できる記録が残っていない症状。 | |
0 ➡3個以上当てはまる場合、『意思不通洞窟』に入り込んでいる可能性があります。
どんな難所?
家づくりは情報量が多い。
図面。
仕様。
設備。
照明。
配線。
打合せも多い。
営業。
設計。
IC。
現場監督。
関わる人も増えていく。
すると、
少しずつ起き始める。
「言ったはず」
「聞いていない」
「そういう認識ではなかった」
そんな食い違いです。
最初は小さなズレにすぎない。
でも、
積み重なると大きな問題になります。
それが
『意思不通洞窟』
です。
何が起きる?


最初は些細なことかもしれません。
扉の種類。
窓の種類、位置・サイズ。
収納の仕様。
点検口の位置。
設備の配置。
・・・
確認したつもり。
伝えたつもり。
理解したつもり。
でも、
後から図面を見ると違う。
現場を見ると違う。
そして始まる。
「言いましたよね?」
「聞いてませんでした。」
「そういう意味だと思いませんでした。」
誰かが嘘をついているとも限りません。
本当に覚えていないこともある。
本当に認識が違うこともある。
だから厄介なのです。
危険な理由
『意思不通洞窟』の怖さは、
ミスそのものではありません。
確認できなくなることです。
洞窟の中では、
方向感を失い、
どこから歩いてきたのか、
今どこに向かっているのか分からなくなる。
家づくりも同じです。
記録がなければ、
誰が言ったのか。
いつ言ったのか。
何を確認したのか。
それが分からなくなる。
そして最終的に、
「証明できない」
という状態になります。
誰が悪いのか分からない。
でも工事は進む。
それが一番厄介なのです。
🩺発言認知症
最も多い症状です。
打合せでは確かに話した。
でも、
記録がない。
数週間後。
数か月後。
誰も正確に覚えていない。
施主も。
営業も。
設計も。
これが
発言認知症です。
🩺証跡欠乏症
意外と重症化しやすい症状です。
メールがない。
議事録がない。
図面履歴がない。
すると、
問題が起きても確認できない。
事故は防げなくても、
原因は追える。
でも、
記録がなければそれすらできない。
これが
証跡欠乏症です。
我が家も事故りました
我が家は、
かなり記録を残していました。
打合せメモ。
メール。
Q&A管理表。
見積・資金計画書のPDF。
図面・仕様書のPDF。
必要に応じて録音。
できる限り、
口頭だけ、紙だけのやりとりは最小限に
記録が残る形で進めていました。
それでも問題は起きました。
解体工事の段取り漏れ。
設計による確認不足。
図面反映漏れ。
勝手に進められた内容。
事故は起きる。
これは完全には避けられない。
でも、
記録を残していた。
だから、
いつ。
誰が。
何を言ったか。
何を送ったか。
後から確認することができた。
責任の所在も明確だった。
結果として、
こちらに非がないことを説明・証明することができました。
振り返ると、
記録は事故防止策でありつつ、
事故調査の必須装備だったと思います。
推奨装備
GPS | Q&A表を管理する。 |
ヘッドライト | 必要に応じて情報の履歴を確認する。 |
ビーコン | メールでやり取りする。 打合せ内容を記録(議事録・録音等)する。 |
通過方法
おすすめはシンプルです。
残す。
とにかく残す。
電話よりメール。
口頭より記録。
紙よりPDF。
打合せ内容は議事録化。
図面も仕様も見積も履歴管理。
それだけです。
事故は防げないかもしれない。
でも、
事故が起きた時に戦える。
それは大きな違いです。
この難所の本質
『意思不通洞窟』は、
会話の問題ではありません。
記録の問題です。
人は忘れる。
認識もズレる。
それは仕方がない。
だからこそ、
記録を残す。
確認できる形にする。
それが、
この洞窟を抜けるための灯りになります。
| この難所の 本質 | 記憶は曖昧になる。記録だけが事実を残す。 |



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