家づくりの難所|着工峠 ―主役交代。ここからは現場のターン。―

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緑豊かな樹海を跨ぐ赤い大橋と、森の中を蛇行する峠道。背景には連なる山々が広がっている。

『着工峠』
ちゃっこうとうげ

ついに始まった着工。
施主が「決める主役」から「見守る主役」へ
交代する節目です。
任せきりにせず、
現場を知り並走し続けるための
心構えと意識の切り替え方。

近隣の
難所
#025|着工後

着工

危険度:発生度: 致命度:中
フェーズ移行系
  • 🩺着工ハイ症候群

  • 着工でテンションが上がり、確認がおろそかになるなど油断してしまう症状。
  • 🩺着工燃え尽き症候群

  • 決定疲れで監理モードへ移行できない症状。
  • 🩺現場異世界症候群

  • 知らない人、知らない言葉に何が起きているか分からなくなる症状。
GPS 地図 ヘッドライト
近隣の
難所
発症チェック

0 3個以上当てはまる場合、『着工峠』を超えるのにてこずる可能性があります。

INDEX

どんな難所?

契約した。
打合せも終わった。
配線も決めた。
クロスも決めた。

そして迎える着工。

多くの人はここで思います。
「ようやく始まった。」
あるいは、
「やっとここまで来た。」

その気持ちは自然です。

実際、
ここまで長かった。

でも、
家づくりはまだ終わっていません。

むしろ、
ここから形になる。
ここからが施工です。

それなのに、
施主の頭はまだ打合せモードのまま。

あるいは、
完全に燃え尽きている。

それが
『着工峠』
です。

何が起きる?

スクロールできます
着工峠の三大症状:1.着工ハイ症候群(高揚感で確認漏れ)、2.着工燃え尽き症候群(気力低下と無関心)、3.現場異世界症候群(専門用語が分からず不安)。着工はゴールではなくスタートであり、冷静な把握と対話が大切であることを説明する図解。
工程が見えると不安は減る。工程が不明確で迷う状態と、地図で現在地(配筋など)が可視化され安心している状態を比較し、工程の見える化が安心とプロジェクトの成功に繋がることを説明する図解。

着工すると、
今までとは景色が変わります。

営業。
設計。
IC。
頻繁にやり取りしていた人たちの出番が減る。

代わりに登場するのが、
現場監督。
基礎業者。
大工。
設備業者。
電気業者。

今までとは違う人たちです。

使う言葉も変わります。

遣り方。
床掘り。
配筋。
スラブ。
上棟。

施主からすると、
「何を言っているのかよく分からない」
状態になることも少なくありません。

さらに、
毎日目に見えて進むわけでもない。
数日変化がないこともある。

すると、
「本当に工事進んでる?」

そんな不安も出てきます。

危険な理由

『着工峠』の怖さは、
工事そのものではありません。

役割の変化です。

契約前から着工までは、
施主が決める期間でした。

間取りを決める。
設備を決める。
配線を決める。
クロスを決める。

主役は施主です。

でも、
着工後は違います。

主役は現場。
実際に家をつくる人たちです。

施主は、
決める人から見守る人へ変わる。

ところが、
頭が切り替わらない。

あるいは、
完全に気が抜ける。

その状態がちょっと危険だったりします。

🩺着工ハイ症候群

ようやく着工した。
ここまで長かった。
嬉しい。
安心した。

その結果、
図面確認をやめる。
報告を流し読みする。
現場を見なくなる。

でも、
着工はゴールではありません。
スタートです。

これが
着工ハイ症候群です。

🩺着工燃え尽き症候群

契約後の打合せは大変です。

配線。
照明。
設備。
クロス。
外装。

決めることばかり。

だから、
着工した頃には疲れている。

そして、
「もうプロに任せよう」
になる。

もちろん任せることは大事です。

でも、
任せきりになるのは違う。

これが
着工燃え尽き症候群です。

🩺現場異世界症候群

営業や設計との打合せ中心だった世界から、
現場監督や職人中心の世界へ切り替わる。

その変化に戸惑う人も少なくありません。

現場は専門用語だらけです。

遣り方。
床掘り。
配筋。
打設。

言葉だけでは何をしているのか分からない。
誰が何をしているのかも分からない。

すると、
「何が起きているのか分からない」
状態になる。

分からないまま工事は進む。
それが不安や誤解の原因になる。

だからこそ、
分からないことは聞く。聞けばいい。

これが
現場異世界症候群です。

我が家の場合

我が家は、
比較的恵まれていたと思います。

工程表がありました。
日々のスケジュールも入手しました。

現場監督からは、
写真付きの進捗報告。
今週やったこと。
来週やること。
そうした情報共有もありました。

だから、
工程を見失うことは少なかったと思います。

それでも、
最初は実感がありませんでした。

遣り方。
床掘り。
名前を聞いても、
いまいちピンとこない。

写真を見ても、
現場を見に行っても、
「何か木材で囲まれたな」
「何か掘ってるな」
くらいです。

でも、
配筋になると違いました。
家の輪郭が見えてくる。

初めて、
「あ、本当に家が建つんだ」
という実感が湧きました。

着工前までは、
施主が家づくりを牽引する期間でした。

でも着工後は違います。
現場が動く。
工程が動く。

施主が頑張っても、
工事を早めたり、
巻き返したりできるわけではない。

ここで初めて、
「任せるフェーズに入った」
ことを実感しました。

だからといって無関心になるのではなく、
任せながら見守る。
そんな距離感が大事なのだと思います。

推奨装備

通過方法

おすすめはシンプルです。

着工をゴールだと思わないこと。

そして、
現場を知ろうとすること。

職人になる必要はありません。
でも、
今何をしているのか。
次に何をするのか。
誰が作業するのか。
それくらいは把握しておく。

それだけで、
不安はかなり減ります。

この難所の本質

『着工峠』は、
工事の問題ではありません。

役割の問題です。

施主が主役だった期間は終わる。
ここからは、
現場が主役になる。

だからこそ、
任せる。

でも無関心にはならない。
任せきりにはならない。

それが、
この峠を越えるために必要なことです。

この難所の
本質
主役交代。ここからは見守る力が試される。

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