家づくり戦記|「普通は見せない」予定表、炙り出された現場監督のプロ意識

こんにちは、がえるです。
ようやく手元に届いた詳細スケジュール表。
着工から順次眺めていくと、「床掘り」に5日間、「給湯配管工事」に6日間…と、時折ゆったりとした線が引かれているのに気づく。
スケジュール上のどこかに調整用のゆとり(バッファ)が含まれているであろうことは想像がつく。
ただ、私が知りたいのは「どこに余裕があって、どこまでならズレても大丈夫なのか」という共通の認識。
隠されていると感じるから不安になる。それなら、その中身を一緒に見せてもらおうじゃないか。
そう決意して、現場監督との打ち合わせをセットしてもらいました。
準備した「安心の物差し」
面倒な客だと思われても構わない。完成してから後悔するくらいなら、今、嫌われ者になろう。
そんな「自衛」の精神で、私は二つの準備をしました。
ひとつは、よその家で実際に行われた第三者インスペクションのレポートを確認すること。
「一般的には、このタイミングでこんな検査をするはず」という基準を自分なりに整理し、いわば「カンニングペーパー」を作っておきました。
検査がちゃんと機能しているかを見極めるための、自分なりの物差しが欲しかった。という感じです。
もうひとつは、予定表の「空白」にアタリをつけること。
調べてみると、我が家のサイズ感だと、「床掘り」が2日間、「給湯配管工事」3日間ぐらいかかるのが、一般的のよう。直前まで着工日が確定しきれていなかったし、監督も職人も複数の現場を抱えている。不測の事態だってあるだろう。
「この5日間、本当はそんなにかかりませんよね?」そう言えるよう、仮説を立てて、打合せの場に挑むことにしました。
おにぎりの握り方
口コミはもちろん、経験も実績も知らない、赤の他人が握ったおにぎりを、安易に口に運ぶのはちょっと怖い。
どんなに「美味しいですよ」と差し出されても、見ず知らずの人が「素手」で握ったのか、それとも「調理手袋やラップ」を使って衛生的に握られたのか。それが分からないおにぎりを口に運ぶのは、少し勇気がいります。
現場監督と、ひざを突き合わせて会話するのは初めて。
まだ、経験も実績も知らない、そんなレベルの関係性でしかありません。
欲しいのは「完璧です」「順調です」という言葉ではなく、
何をもってしてそう言えるのか、その根拠。
欲しいのは、単に「お腹が膨れる(家が建つ)」という結果ではなく、「食べて安全だと言い切れるプロセス」の開示なのです。
検査で言うなら、どれだけの検査をして、どれだけの不備を見つけたのか、
不備を見つけて直したならば、どう是正したのか、
是正前と是正後の証跡・エビデンスがなければ、確信は得られない。

NGが一つも出ない検査は、検査の質が疑わしくなる。
不備を見つけて、それをどう直したのか。その跡が見えるからこそ、モノの品質と検査の質がクリアになり、安心できるんです。
手元のカンニングペーパー。予定表に載っていない検査工程について確認していく。



○○の検査は、このタイミングでなければ検査できないですよね?
でもスケジュールには明記されていない。これは、検査はしないということですか?それとも…?
すると、監督がカバンから資料を取り出しました。
鞄から出てきた「生きた仕組み」
そこにあったのは、工程ごとに整然とまとめられた、ハウスメーカー独自の「チェックリスト」でした。
私が気にしていた検査工程、検査項目もしっかり網羅されている。
スケジュールに書ききれていなかっただけで、それらを適切なタイミングで検査するとのことだ。
外部検査の前にも、このチェックリストに基づいたセルフチェック・社内検査を実施する。その結果、外部検査ではNGがほぼ発生することはない。というカラクリだったのです。
さらに驚いたのは、それが会社から与えられたマニュアルではないということ。



これ、実は私が『現場にはこれが必要だ』と声を上げて、仲間と一緒に作り上げたもので…、監督同士で集まる定例の場で声を集め、随時中身をアップデートし続けています。
第三者インスペクションに何度も立ち会ったことで培った知識や、過去の経験から作り上げたものらしい。
どうりで網羅感も申し分ないわけだ。
社内の管理システムも見せてもらったが、そこには膨大な量の写真エビデンスが既に蓄積されていました。
やることはやってたんだ……どころじゃない。
「自分たちで現場を良くしよう」と、仕組みを自ら作り、今この瞬間も磨き続けている。
不器用な正解が、そこには確かにありました。
早く言ってよ~
そこで、私たちは新しい「約束」を交わしました。
- 検査のエビデンスは、要所をかいつまんでLINE共有してもらう
- 必要があれば、いつでも社内ツールの中身を一緒に確認させてもらう



なんだよ、そんなにしっかり仕組みを確立して回してるなら、
早く言ってよ~(松重さん風)
言葉足らずなプロと、面倒な施主。
その間にあった深い溝は、数枚のチェックリストと、泥臭い努力の跡で綺麗に埋まりました。
大手のような洗練された報告の仕組みはないかもしれない。でも、中身をこじ開けてみれば、そこには現場のプライドがちゃんと呼吸していました。
- 経験や勘頼みになっていないか確認する
「長年の経験」や「勘」「慣れ」という名の感覚で現場を回していないか。
現場監督がチェックリスト等の「仕組み」を持って現場に臨んでいるかを確認しましょう。 - 「見えない不備」への対策を聞く
完成してからでは分からない構造部分こそ、おにぎりの衛生状態と同じ。検査でどう不備を見つけ、どう是正したかの「証跡(エビデンス)」を、納得いくまで見せてもらうことが「安全」への近道です。 - 「嫌われ者」を恐れず、現場を覗く
面倒な客だと思われても、安全性や品質を確認するのは消費者の権利です。
「どう作っているか」をオープンに話し合える関係性を築くことが、最高のリスク管理になります。
信じるとは、目をつぶることじゃない。
相手をリスペクトし、納得できるまで確認し合っていくことで、信じられる関係性は築いていける。
さあ、検査ではどんな証跡が届くのか。 少しだけ、現場を見る目が変わった気がします。



















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