家づくり戦記|「日付は目安」のスケジュール? ~雰囲気ゆるふわスケジュールの恐怖~

こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。

注文住宅のスケジュール、どんなタスク・やることがあってどんな順番・日程感で進めていくのか、ド素人の私はまったく分かっていませんでした。
やはり誰もがそうなのか、ハウスメーカーでは視覚的に分かりやすそうなスケジュールが用意されていました。

ハウスメーカーの工程表・やることリストに翻弄される

ハウスメーカーから手渡された一枚の紙。 そこには、親しみやすいイラストと共に、契約から引き渡しまでの道が描かれていました。

ぱっと見、なるほど、それっぽい。

ところが、私はその紙を眺めながら、猛烈な目まいに襲われてしまい...。
職業柄、プロジェクトマネジメントなんかをやっていた関係上、スケジュール策定というものには一定の経験がある。
けど、この紙に書かれているのは、私が知っている「スケジュール」ではなく...、到底スケジュールとは呼べない代物なのです...。

記載されていたタスクと日程は以下のような内容でした。(一部、デフォルメして記載してます)

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1-1:9月17日

様々なご要望をお聞きし、次回にご提案します。

1-2:対象外

お金に関する不安・悩みをお伺いし、グラフで分かりやく問題を「見える化」します。

1-3:対象外

資金計画書をもとに銀行融資の仮審査を申し込みます。

1-4:9月17日

ご予算・ご希望地域などを確認します。
土地を所有されている場合は詳細を確認します。

1-5:11月21日

建築に必要な情報を確認し、必要に応じて見積を取ります。

1-6:11月28日

どのような家で暮らしたいかを、しっかりとお聞きします。

1-7:12月20日

プラン・資金計画書を提出し、ご要望に沿った内容かをご確認頂きます。

1-8:12月20日

ご契約の内容(工期・金額・契約約款)を事前にご確認頂きます。

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2-1:12月28日

契約書に署名と捺印頂きます。

2-2:1月31日

間取りと配置を確定して頂きます。
これ以降の間取り変更は費用が発生します。

2-3:2月7日

1/50の大きい図面でプランを再確認し、TV・エアコンの位置や収納内部など詳細を決定頂きます。

2-4:2月22日

ショールームにて外壁やキッチンなどの色を決定頂きます。

2-5:2月27日

役所に必要書類を提出し、建築確認申請を行います。作成から許可が下りるまで2週間~3週間ほどかかります。

2-6:3月9日

ご自宅の解体工事を始めます。
電気・ガス・水道などのライフラインの廃止の手続きをお願い致します。

2-7:3月19日

弊社社内にて営業・設計・監督が合同で工事に関しての再確認を行います。

2-8:4月11日

建物を支える土地の地盤を調査します。改良工事が必要な場合は別途お見積を提出させて頂きます。

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3-1:4月8日

工事の無事進行を祈願します。
この際、地縄で配置の最終確認もして頂きます。

3-2:4月13日

いよいよ工事の始まりです!

3-3:5月25日

柱が見えて建物の大きさが実感できる時です。

3-4:6月7日

上棟後、間もなく現場で配電の立ち合いをお願いします。

3-5:8月10日

ついにマイホームの完成です。
役所に完了の申請をし検査済みを待ちます。

3-6:8月22日

保証書と一緒に鍵をお渡しします。

3-7:9月5日

ぴかぴかのマイホームでの生活が始まります。ご近所への挨拶をするタイミングです。

3-8:3月5日

アフターメンテは6ヶ月・1年。専門スタッフがお伺いします。

おそらく、ひとつのテンプレートを使いまわし、会社内のルールで決められた営業日数間隔で日付を入れ込んだだけでしかない代物でしょう。

私の場合、建て替え・現金払いなので、ローンも土地探しも必要ない。なのに、そのタスクが記載されていることから見ても、テンプレそのまんまなのは明白です。
土地探しから始める場合でも、建て替えの場合でも、ローンでも現金払いでも、ひとつのテンプレを使いまわして作っていることは、タスクや説明文の端々からも感じ取れます。

そして、紙面の端には「表記されている日付はあくまで目安です」という但し書き。

自由設計で数千万の家。前提や置かれた状況は人それぞれ。
それでも、その施主専用のスケジュールは作成されない担当営業はテンプレ以上のことは考えない。と言っても過言ではありません。

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スケジュールという名の雰囲気やること・雰囲気日程表

この日程表、そのタスクは「誰が」「何をする」のか、日付は「開始日」「終了日」「実施日」のどれかすら不明確。文言から察するしかない。
タスクそのものが記載されているというより、マイルストーン?ぽいものが羅列されている。

「カラー打合せ」と一口に言っても、着手する日なのか、施主が宿題を終える日なのか、メーカーがサンプルを揃える日なのか、あるいは全決定のデッドラインなのか。 「目安です」の一言で、何の目安なのかも不明確であり、本当のクリティカルパス(遅れたら即、引き渡しが延びる経路)すら見えはしない。

さらに、我が家には明らかに必要な「境界確定測量」はタスクとして存在すらしない。もはや、タスクが網羅されているのかもよく分かりません。

まあ、素人施主に雰囲気工程・雰囲気日程をつかんでもらおう。という趣旨で、ただそれだけが目的の紙ならば、それも分からないではない。
でも、それならば、ハウスメーカー自ら、施主ならではの前提・状況を鑑みた、より具体的な説明が必要だろうし、施主ならではの前提・状況をふまえた、より詳細なスケジュールがあってしかるべき。と思ってしまいます。

他のハウスメーカーでも、同様のスケジュール紙を見せてもらったことがあるので、私が契約したハウスメーカーに限ったことではないのでは?という懸念が...。
万が一、これが住宅業界の当り前だとしたなら、これが ”スケジュール” としてまかり通っている日本の住宅業界恐るべし。です。

ゆるふわなタスク前後関係・依存関係

工程表は、まるで一歩一歩、順を追って進行するかのように直列で描かれている。
だけど、現実は違う。

カラー打合せを開始せずとも、建築確認申請はできる。
地盤調査・地盤改良と地鎮祭の前後制約はなく、前後逆転しても構わない。
確認申請の裏でカラー打合せを行い、解体準備の裏で近隣挨拶は済ませてしまう。
など、

タスクは複雑に絡み合い、並行して走る。その「前後関係」「依存関係」の制約が説明されないまま、雰囲気だけで「次はこれですねー」と進んでいく。
これは、スケジュールなどあってないようなものに感じ、順調なのかどうかも判断できなければ、施主としての責務を果たせているのかもよく分からなくなる。

契約・約款には、遅延に関するこんな条項がある。

第○○条(一般の損害)
X. 施工一般の損害のうち、次に該当するものは発注者の負担とします。
1) 発注者の都合により受注者が着工予定日までに工事に着手できず、又は発注者が工事を繰延べもしくは中止させたことによる損害。
2) 工事用地の提供、支給材料又は貸与品の受渡しが遅れたことにより、受注者が工事を実施できず、又は中止をしたことによる損害。
・・・

契約・約款に記載されていることを真摯に受け止め、誠実に対応しようと思っていても…
雰囲気・ゆるふわなスケジュールでは、自覚せぬまま遅延要因を作ってしまいかねず、その判断も容易ではなくなる。
施主にとってこれは恐怖でしかない。

リカバリープランなき楽観論

設計確定が1月末日のスケジュール。
年末に契約し年初早々、担当営業の体調不良で数日の空白。正月休みも含めてほぼ1週間は何も進まなかった。

1月末に設計確定ですよね?てか、何をもって設計確定なんですか?
結構急いで進めないと...

日付は目安なので、設計確定が間に合わなくても大丈夫ですよ
着工が遅れなければ問題ありません

へ...?!?どゆこと???

「日付はあくまで目安です」 そう言いつつ、メーカー自らその日付を守る気配がない...!?
遅延が発生した際、玉突きで後続タスクが遅れるのでは?どこでどうやって巻き返すの?何を根拠に着工日に帳尻を合わせられると?

問いかけても返ってくるのは「大丈夫です、間に合います」という根拠なき楽観論だけ。(にしか聞こえなかった)

その頃の私と言えば、後続タスクで具体的に何をするのか?何をもって完了なのか、その条件もよく分からない。設定されている日程がキツいのか、ゆとりがあるのかすら分からない。

もはや、契約書に記載されている以上、簡単には動かせない「着工」「完成」「引渡し」の日付くらいしかあてにならない。それ以外はモザイクも同然。

なので、当然ながら、自ら巻き返す工夫などもできるわけがなく、どの程度の遅延であれば平気なのか、どこまで遅延してしまうと危険なのか、それすらも判断できるはずもなく...
あまりにも非論理的な、説明になっていない説明で、まったく理解できませんでした...苦笑

粘り強く話をして、よくよく聞いてみると、前提としていることが違っていることに気付きました。

私:直列のタスクであり、タスクが終わらないと次のタスクが始められない
担当:タスクが終わらなくても並行できる

私:直列のタスクであり、タスクの順序・前後は絶対
担当:タスクによっては順序・前後は変更できる

などなど。
書き出すときりがないですが、理解できなくても言う通りやっておけば大丈夫。とでも言いたいかのよう。
ホントか?ホントなのか!?
ろくな説明もないままに理解しろとは言われなかったので、他の方は素直に言われた通りにやるもの?なのかな?

何はともあれ、こちらとしては、施主としての責任を全うするには、自身が納得して推進する為には、もっと正しくスケジュールを理解せねばならない。と必死でした...汗

案の定、事故は起きた

ビジネスの世界なら、こんな雰囲気・ゆるふわスケジュールでは即座にプロジェクトが炎上し、管理者は更迭(クビ)だろう。

嫌な予感はしつつも、問題が起きなければいいなと願うしかないわけで...
そんな中、私の悪い予感は的中してしまいました...。

「日付はあくまで目安」という言葉をそのままに、是正させなかった結果、そのツケが...、
案の定、工程に致命的な問題が生じ始めたのです。

メールには唐突にこうあった。

現場に聞いたところ、解体期間を短縮するのはかなり厳しそうです。
地盤調査・地鎮祭の日程を相談させてください。

文面から焦りを感じたものの、期間短縮なんて要望した記憶もなく、何のことやら...。
あらためて、スケジュールを眺めながら類推し...、解体完了~着工の期間が短く、タスクが収まらない。だから短縮させたい調整したいと言っているのか。とようやくわかり。

そもそも、解体の責任をもつ契約先はE社。
なのに、なぜE社の下請けである現場作業者と会話して焦っているのかも分からない。

まずは、管理責任者であるE社と話すべきことだし、そもそものプランが破綻していたってことでしかない。
ここに至って、彼らにハンドルを握らせておいては、私の家の完成は危うい。と、確信を持ちました。

すなわち、スケジュール管理の主導権を奪い取り、私がなんとかするしかない。と腹を決め、前提として集める情報や条件、何をもって何をどう判断するかを指示し、報告させることに。そうするしかありませんでした。

目先の問題は、一旦それで見通しを付けられそうな状況になったものの、更には着工後のスケジュールも胡散臭いことこの上ない。これもなんとかせねばなるまい。

確信もてるスケジュールが作れなければ、管理もコントロールもままならず、勝ち目はない。
個人の家づくりプロジェクトだろうが、ビジネス上のビッグプロジェクトだろうが、マネジメントの基礎や根っこは同じ。と、分かり切ったことを今更ながら痛感し、反省させられました...。


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この記事を書いた人

がえるのアバター がえる 自由人 / 元外資系PM

東京での経験を携えて、地元で人生リブート中

人生も折り返し、東京⇒地元東北へUターン
移住して、実家の断捨離と建て替えに独り奮闘
いろいろ捨てたり、変えたり・替えたり・帰ったり。
そんな日々の記録をゆる~く綴っています

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