家づくり戦記|ナフサショック直撃。着工直後「工事をあえて止める判断」をも視野に現場監督と握る

こんにちは、北国の片隅で「かえるがえる」を運営している管理人のがえるです。
2026年4月某日、ついに我が家が着工しました。
しかし、晴れやかな気分に水を差すように飛び込んできたのが「ナフサショック」のニュース。
住設大手の受注停止や納期回答不能、さらには防水シートや接着剤の不足により工事が止まるリスクまで報じられています。
着工したばかりの我が家にとって、これは決して他人事ではなく、モロに影響を受けかねません。
「さて、どうしたものか」――私はまず思考を整理することにしました。
この記事は、ハウスメーカーや住宅業界に不満をぶつけるためのものではなく、プロと建設的な議論をするための備忘録です。
考察:リスクを因数分解する

ナフサって何?と思ったけど、こりゃ、やっべーな...
プラスチック、合成繊維、合成ゴム、包装材料などのプラスチック製品の液体原料(粗製ガソリン)。
パソコン、家電、自動車部品、食品トレー、衣料品(ポリエステル)など、幅広い製品の製造にナフサが用いられる。
ナフサの供給が停止もしくは不十分となり、
・断熱材: ウレタンフォームやスチロール系断熱材
・配管: 塩化ビニル管(下水や給水のパイプ)
・接着剤・塗料: 建材を貼り合わせたり、表面を保護したりするもの
・設備機器の樹脂パーツ: 引き出し内部や、パッキン類など
等の生産が停止。それにより住設機器などの製造も困難になった。ということのようです。
家づくりの渦中にある人は、何とも言えない不安が芽生えたことでしょう。
でも、ニュースを見て闇雲に不安がるだけでは、施主として生産的ではない...
とり急ぎ、考えられるリスクから、3つの観点で考察し仕分けてみました。
❶3レイヤーごとのリスク
着工直後の我が家の状況もふまえた仮説は以下のとおり。あくまで「仮説」です。


| ①骨格 (STRUCTURE) 【リスク:低】 | 基礎、木材、鉄筋、コンクリ、防水シートといった、家のフィジカルなフレーム。 我が家は着工間もなく基礎工事は着手している。 これらの大半は在庫を確保済みである可能性が高く、現場を止めるリスクは低いと推測しました。 |
|---|---|
| ② 外装 (ENVELOPE) 【リスク:中】 | 屋根、外壁、窓(サッシ)、接着剤。 これらは物流や一部部材の不足懸念があり、骨格よりは外部依存度が高い。 |
| ③ 住設 (EQUIPMENT) 【リスク:高】 | キッチン、バス、トイレ、洗面台、ソーラー・パワコン、蓄電池、エコキュート等。 これらは高度に分業化された複雑な製品であり、一箇所の部材不足が「納期未定・受注停止」に直結する、真のボトルネック。 |
この時点では仮説でしかない。我が家の影響範囲はどこなのか、実態を確認し特定しておく必要がある。
❷品質劣化という「最悪のシナリオ」
単なる「引渡し遅延」なら、まだ調整のしようがあるけれど、絶対的に回避したいのは、部材不足によって中途半端な状態で現場が止まり、構造体が数週間も雨ざらしになること。
すなわち、工期優先で無理に進めることは住宅の品質(デグレード)に直結しかねず、無計画・偶発的な工事停止は回避しなければならない。
すなわちそれは「計画的に工事を停止する判断も辞さない」ということ。
❸ジャッジメント・ポイント
メーカーによって新規受注の停止や、受注したとしても納期回答を停止している場合もあるとのこと。
「やってみないと分からない」という不透明な状況下では、意思決定のタイミングやトリガーを明確にする必要がある。
どのタイミングで何が判明すれば、次の工程に進むか、あるいは「あえて止める」のか。
我が家の場合、どのタイミングで判断すべきなのかクリアにしておく必要がある。
実践:現場監督との共通認識の構築
現場監督と対面する機会があったので、この考察・仮説をもとに会話しました。
別の趣旨の打合せだったのだけれど、あわせてナフサショックへの対応についてもディスカッションし、同じリスクを共有するパートナーとして、以下の共通認識を揃えることができました。
この突っ込んだ考察・仮説は、概ねそのとおり大外れはしておらず、それに対して、
現場監督は、プロフェッショナルで非常に冷静かつ真摯な対応・回答をしてくれました。
❶資材の確保状況
基礎、鉄筋、木材、金具等の「骨格」レイヤーについては、幸い現時点で在庫で補える見通し。
少なくとも、基礎完成までは現場が止まるリスクは低い。
❷住設の発注タイミング
通常のフローでは1〜2週間後に発注が飛ぶ。その際、メーカー側の対応次第で、その後の策を練り直す必要が発生する。
すなわち、ここが最初の観測ポイントになります。
❸「待ち」の判断
基礎工事は完成まで手堅い。とした場合、その次は上棟するかどうか。です。
屋根や防水処理まで工事可能な見通しがたっていなければ、上棟しても長期間雨ざらしになるのは目に見えています。
発注しても「納期遅延」や「納期回答保留」となった場合、無理に上棟を進めて雨ざらしにする可能性が生じるくらいならば、作業開始時期を見直す、あるいは納得のいく代替案が出るまで待つ。
という選択肢も検討することとしました。
「納得できる代替案」とは、単なる妥協ではありません。
例えばコロナ禍では、TOTOの在庫がなければLIXILへ切り替える「メーカー変更」、あるいは在庫のある上位機種へスライドする「スペック変更」、究極的には仮設品で引渡しを受け、後日換装する「フェーズ分けデプロイ」といった手法が取られたとのこと。
ナフサショックでも同様の手法がとれるかどうか、影響範囲も異なるので今はまだ未知数ですが、何らかの代替案が検討されるものと思います。
結論:不確実性を管理可能な状態に置く
もし、受注停止が解除されたとしても、溜まったバックオーダー(未納分)を捌きながら、恐る恐る新規を受けることになり、「受注制限」や「納期未定」という不透明なフェーズが一定期間続くと見るのが自然です。
施主にできるのは、ハウスメーカーに「大丈夫ですか?」と聞くことではなく「何が起きたら、どのリスクを優先して、どう判断するか」という思考の型を持ち、現場と共通認識を揃えておくこと。かなと思います。
今回のディスカッションを経て、私は「工事の一時中断」すら視野に入れた、リスク管理の共通認識を現場監督と握ることができました。
不確実性が高い今後の工程に向けて、同じ目線で同じ問題意識をもって挑む。そんな強固な関係を築けた気がします。















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