家づくり戦記|我が家の施主検査は「ほぼ儀式」でした

家づくりも、いよいよ終盤。
完成した家を引き渡してもらう前に、施主検査を行いました。
SNSなどを見ていると、
「施主検査で○○箇所指摘した」
「チェックリストを使って隅々まで確認した」
「床や壁を這うようにして傷を探した」
なんて話をよく見かけます。
私も一応、施主検査用のチェックリストを用意していました。
ところが...
我が家の施主検査は、ほぼ儀式でした。
現場監督さんと談話しながら全部屋を回って、
ドアを開け閉めして、
床を歩いてみて、
「問題なさそうですね」
で、ほぼ終了。
……チェックリスト、ほとんど使わなかった...(汗)
施主検査の前に、すでに検査が終わっていた
なぜこんなことになったのか。
理由は簡単でした。
施主検査の前に、住宅会社側でかなり細かく検査していたからです。
少し前、ICさんが現地で行う「自主検査」を、挨拶がてら覗き見していました。
スタッフの方も連れて、2名で現場に来ていました。
そして、
壁を手で触る。
建具を見る。
細かいところを確認する。
あちこちにマスキングテープを貼っていく。
私が見ても、
「……どこがNGなの!?」
という状態。
「ちょっとクロスに浮きがあって……」
と言われ触ってみても、
「どこに?分からん!!(笑)」
「建具の色に少しムラがあって……」
「ん? ……んん? 言われてみれば……!」
「建具の指をかける位置が反対で……」
「あぁあぁ! 確かに!」
という具合です。
素人の私には、言われなければ気付かないようなところまでチェックされていました。
そして、その後の現場監督さんの検査でも、補修が必要なところにはマスキングテープが貼られていました。
施主検査の日。
そのマスキングテープは、全部なくなっていました。
「自由に見てください」と言われても
施主検査では、
「自由に見ていただいて大丈夫です」
とのこと。
もちろん、せっかくなので一応見てみる。
全部屋を回る。
ドアを開け閉めする。
床を歩いてみる。
住設まわりのコーキングがちゃんとされているか、こっそり見てみる。
でも正直、
何か問題点を見つけられる気がしない...。
だって、その前にプロがものすごく細かく見ているのを知ってしまったから。
マスキングテープが貼られていた場所も覚えています。
「あのクロスの浮き、どう直したんですか?」
「あれは補修してます」
「ここの床の傷は?」
「補修屋さんが直しました」
「へぇー」
そんな感じでした。
もはや検査というより、答え合わせでした(笑)。
それでも、交換になるものはありました
もちろん、何も問題がなかったわけではありません。
社内検査ですでに指摘されていたものとして、
・収納扉の出荷ミス(手を引っ掛ける位置が逆)
・建具表面の色ムラ
・レンジフードの傷
などがありました。
正直、補修箇所については
「これ、言われなかったら分からないな……」
ということのほうが多く...
それらも住宅会社側では、きちんと補修・交換対象として扱われていました。
なんというか、
対応が真面目で誠実なので、引渡し後の交換についても最善案なんだろう。
そんな感じでした。
補修は「直す」ではなく「分からなくする」
検査の話をしていると、補修についても面白い話を聞きました。
床にあった傷について、
「ここ、補修屋さんが直したんすか?」
と聞いたところ、
補修を担当する職人さんは、なんと美大出身の方なんだそうです。
単に傷を埋めるのではなく、
周囲の木目に合わせて色を作り、模様まで合わせて、
補修したこと自体が分からないように仕上げるのだとか。
もはや、
「補修というより、床板を描いてるようなもんじゃないですか!」
「補修はアート!ですね」
なんて談笑してました。
こういう話を聞けるのも、現場を見る面白さのひとつですね。
施主検査は、品質を作る工程ではない
私は仕事柄、品質管理に関わったこともあり、改めて思ったことがあります。
それは、単に検査工程があるから品質が高くなるわけではない。ということ。
設計段階でしっかり検討する。
具体的な仕様を決めて、仕様書を書き起こす。
施工する。
仕様書に基づいて確認する。
担当者自身が自分の仕事を確認する。
別の人の目でも確認する。
問題があれば修正する。
そうしたプロセスを積み重ねた最後に、もう一度確認する。
だからこそ、最終的な検査で大きな問題が出ない。
今回の我が家は、まさにそんな印象でした。
だから、施主検査は「ほぼ儀式」になった
そんなわけで、
我が家の施主検査では、
用意していたチェックリストがほぼ出番なし。
ただ、これは、
「施主検査なんてやらなくていい」
という話ではなく、
むしろ逆です。
施主検査までに、住宅会社がどれだけ品質を確認してくれていたか。
その結果として、施主検査で確認することがほとんど残っていなかった。
ということにすぎない。そう受け取りました。
「施主に指摘させない」という仕事ぶり
施主検査を終えて、ふと思いました。
もしかすると、
「施主に指摘させる前に、自分たちで見つけて直しておく」
というのが、プロとしてのプライドなのかもしれません。
施主検査の日にマスキングテープがすべてなくなり、
施主が気付かなかった小さなクロスの浮きも直っている。
言われなければ気付かないような建具の色ムラも交換する。
真正面から見えるレンジフードの傷も、そのままにしない。
沢山のマスキングテープを見ていたなら、そんなに補修・交換が必要な品質なのか。
と感じる人もいるかもしれません。
でも、私はむしろ、
「ちゃんと不具合を見つけ、修正してくれてるんだな」
と感じました。
品質は、施主検査だけでは作れない
住宅は、完成してしまえば外から見えるのは結果だけです。
きれいなクロス。
きれいな建具。
きれいなキッチン。
きれいな外観。
でも、それだけでは、その家がどれだけ安心できる品質なのかは分かりません。
本当の安心に繋がるのは、
どうやって品質を作っているのか。
どこで確認しているのか。
誰が確認しているのか。
問題が見つかったらどうするのか。
そして、最後の検査までにどこまで潰し込んでいるのか。
そのプロセスを知ると、品質の確かさを知ることができる。
施主検査でたくさんの問題を見つけることが、必ずしも品質の高さを意味するわけではありません。
私はむしろ、施主検査までに住宅会社が問題を見つけて、修正を終えている状態のほうが安心できます。
我が家の施主検査は、ほぼ儀式でした。
でもそれは、
ちゃんと検査できなかったのではなく、その前にいろいろやってくれていたから。
ということに他なりません。


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